店舗工事 商業ビルのルールとは
はじめてのお店づくりは、聞きなれない用語に戸惑うものです。
今回は、商業ビルに出店される方からよく質問される「工事の区分と費用の負担」についてご説明します。
店舗工事は、電気工事、給排水工事、ガス工事など建物本体とさまざまな絡みがあるのです。
想定外の出費だった、と驚かないために知っておきましょう!
「A工事」「B工事」「C工事」とは
店舗の賃貸契約や、店舗デザインの打ち合わせをしている時に出てくる建築用語です。
ショッピングセンターや商業ビルにテナントとして出店する時に、はじめて耳にする用語ではないでしょうか?
この工事区分によってあなたが店舗の内装工事費が大きく変わります。
理解しておきましょうね(^^)
●A工事とは
ビル本体の工事でオーナーの工事負担でオーナーが施工する工事です。
共用の施設・共用通路、標準的な設備(メーター迄の配線、または店舗区画までの配管など)の工事が含まれます。
所有権は、オーナーにあります。
また、設計・施工は、オーナー側の業者が行います。
●B工事とは
テナントが決まってから、テナントの要望によりオーナーが行う工事です。
工事費はテナントが負担します。
主に、ビル全体の施設・安全性・工程に影響を与える工事です。
(例:分電盤、給排水工事、防水工事、厨房給排気工事、防災、空調設備等のA工事の追加変更など。)
所有権は、オーナーにあります。
施工はオーナー側の業者が行います。
●C工事とは
テナントがビルオーナー承認のもとに施工する工事です。
(例:店舗内装工事、什器備品、照明器具、電話工事等)
所有権はテナントにあります。また、設計、施工はテナント側の業者が行います。
退去する時には元通りに戻す義務があります。
表にするとこんな感じです。 ↓
「よく意味がわからな~い!?」と質問されることが多いのが“B工事”です。
テナント(あなた)が費用を負担しながら、建物オーナーの指定業者で工事をする必要があり、建物オーナー所有になりますので、ご注意ください。
ただし、この区分は物件ごとに微妙に異なります。
細かく確認することをおすすめします。
実際には・・・
「親戚の水道設備業者に安く工事をしてもらうつもりだったのに、B工事だと言われたので予定の倍の金額がかかった・・・」
「火災報知機の費用も負担するとは思わなかった!」
というようなことがあります。
B工事の費用を抑えるために
物件を借りる際は、このあたりをよくわかっている人(不動産仲介の担当者、管理会社、店舗デザイン事務所など)に一緒に確認してもらうと安心です(^^)
また、デザイン、設計する際に「火災報知器を増設しなくていいように間仕切りの方法を検討する」「配管の距離をできるだけ短くするレイアウトにする」などの工夫で費用を抑えることが可能です。
また建物オーナー(貸主)によって、C工事(店舗内装工事やサイン工事)の内容に厳しい制限があって希望どおりにできなかったり追加費用がかかることがあります。
建物オーナー(貸主)と良好な関係を築きながら、工事費用を予算内におさめるように進めていくことが大切です。